斬新な、残念なイケメンのラブストーリー





2022年11月5日
自他共に認める人気画家が実は盛大な勘違い野郎として立ち回っている、滑稽さとシュールさを狙った作りの話なので、果たしてこの変な二人が正面から向き合える日は来るのか、というズレまくりを導入部から暫くはずっと、見せつけられていた。彼石原は上っ滑りしてばかりで、思っている通りには彼女環が乗ってこない。乾いたやりとりを重ねるうちに、じわじわ時間をかけて環と親密になっていくのだ。こんなマイウェイなラブコメなものだから、親知らず歯エピは特に笑えた。化粧ポーチエピはアートのアイディア面も関わっていて、本作らしいエピソードでよかった。そして、二人の関係進化に関わる13話の的場寿司の話が、キャラ描写が滲み出ていてゆるくストーリーを締めて方向付けした。
この石原先生と平野との関係が、最近読了の「椿町ロンリープラネット」の木曳野先生と金谷との関係にそっくりダブって興味深い。それに、やまもり三香先生の作品連想は、主人公環のキャラにもある(vs「ひるなかの流星」のすずめ)。しかし環というヒロインは何度もヨダレを垂らすほど格好を特に気にしないタイプ。即物的というのとも違う食欲直結の気取らないヒロインが、次第に残念なイケメン,勘違いイケメン,変なイケメンである石原のほうを尽くし型?に変えていくのが可笑しくて。周囲に(プチ)世話を焼かせる二人。リエが可愛いし、平野もいい。石原は親にもヘタレがばれる所も笑える(苦笑)。
青年漫画カテゴリーにて、私好みの少女漫画の絵は全く望めないが(だからイケメン設定の画家先生が私の目には全然そう見えない)、それがまたこの作品のベタベタしない空気を支えていてかえってよい。そして結局は立派なラブコメ。
迷ったが、二人のプロセスにユニークさがあったので、また、「大人」な関係にすぐ持ち込むようなのではなくプロセス重視だからこそ周囲の人柄描写の妙があったので、少々色付けて4.5の★5とする。(バランスを考えると、読了した「椿町--」も同等の★5にノッチ上げるべきか、とも散々考えたが、こちら空回りの面白さを買って、あちらは据え置きとすることにする。)
この石原先生と平野との関係が、最近読了の「椿町ロンリープラネット」の木曳野先生と金谷との関係にそっくりダブって興味深い。それに、やまもり三香先生の作品連想は、主人公環のキャラにもある(vs「ひるなかの流星」のすずめ)。しかし環というヒロインは何度もヨダレを垂らすほど格好を特に気にしないタイプ。即物的というのとも違う食欲直結の気取らないヒロインが、次第に残念なイケメン,勘違いイケメン,変なイケメンである石原のほうを尽くし型?に変えていくのが可笑しくて。周囲に(プチ)世話を焼かせる二人。リエが可愛いし、平野もいい。石原は親にもヘタレがばれる所も笑える(苦笑)。
青年漫画カテゴリーにて、私好みの少女漫画の絵は全く望めないが(だからイケメン設定の画家先生が私の目には全然そう見えない)、それがまたこの作品のベタベタしない空気を支えていてかえってよい。そして結局は立派なラブコメ。
迷ったが、二人のプロセスにユニークさがあったので、また、「大人」な関係にすぐ持ち込むようなのではなくプロセス重視だからこそ周囲の人柄描写の妙があったので、少々色付けて4.5の★5とする。(バランスを考えると、読了した「椿町--」も同等の★5にノッチ上げるべきか、とも散々考えたが、こちら空回りの面白さを買って、あちらは据え置きとすることにする。)

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マンボー さん
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アヲアラシ さん
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