このレビューはネタバレを含みます▼
読み解くのが難しい作品です。織田が香藤に深く依存していく理由は痛い程伝わってきました。これまでつまらない人生を送ってきて、まわりも簡単に動かせる。なんでもできる。しかし事故によって初めて知る周りの本当の“声”は彼にとって初めての恐怖だったのでは。そこにあらわれた香藤。彼にとっての“神様”。2人の関係性がどうバレてしまうのか、本当にドキドキしながらページをめくっていました。が、なるほど。確かにあの告白は、香藤と織田が“特別になった理由”であり、織田にとっては喜ばしい事実であったと…。うーん、凄いです。想像の範疇を超えて楽しめました。
最後、なぜ香藤は能力を…と考えてみましたが…。織田の能力が関係してるんじゃないかなとか思ったり…‼身体を繋げる毎に香藤の能力がなくなっていく…とか…?離れたらまた能力が復活する…とか?香藤を壊せるのは織田だけ…とか?考えるのが面白いです。きっと正解は読み手の数だけあるのではないかと。
結果的に香藤は織田に深く依存し、めでたく重いほどの共依存。病んでるけど、この病み方はハマる人には物凄くハマりますね。
ただ…あのいじめさえなければ、香藤は夢に見るようなクラスメートと笑いながら世間話をするごく普通の学生だったのでは…と思うと、切ない気持ちもあり…です。