凄惨でありながら





2022年11月9日
作者買い。またもや強烈な作品。冒頭からきな臭く凄まじい…読む手が止まらず。作者様の作品の中でも。より人を選ぶであろうなと。タイトルからも匂わせている。描写的にグロい。なんせ無惨に殺された死体を生き返らせ。別の死体の肉をミンチにして与えるのだから。メインキャラ2人はただの通りすがりではない。かつての同級生。そこにそれぞれの事情と思いがある。相変わらずの人物像の設定。ビジュアルを含めて。さすが。顔に大きな傷を残したまま生き返ったいわゆるゾンビでありながら美しい佐田。生き返らせた昔の面影のない薄い頭の間宮。物語が進むにつれ2人の心情が変化していく。このままではいられない事は想像はつく。後半からラストに向けてのストーリーの流れ。間宮の心情が刺さる。読み手により捉え方は色々あるだろうが。衝撃的で凄惨でありながら…そこに一つの愛の形をみる。いつもながら。読後余韻が半端なかった。怪作。

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