アイ、セイ【単行本版】
」のレビュー

アイ、セイ【単行本版】

朝田ねむい

愛と性(さが)の話。

ネタバレ
2022年11月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 嗜虐癖を愛情で乗り越えてハッピーエンドの『ディーン』の次に、嗜虐癖丸出しの描写しかなくそれこそが性癖だと作者が開き直った『クラスメイト』がハピエンの余韻を木端微塵に破壊してくるという、恐ろしい構成の短編集です🙄ごめんなさい、こんなときどんな顔したらいいのか、わからないの……笑えば、いいと思うよ…………😩しかし、『クラスメイト』並みの暴力描写でも、文脈次第では平気で読めてしまうものなんですよね。たとえば『スリーピングデッド 下』の例のあのシーンとかみたいに。なんなら文脈をヤバい性癖シーンを楽しむための言い訳にしていることもあるかもです。そんな人の性(さが)に、それって欺瞞だよな?と嘲笑を向けてくるかのような前半二作でした。抉り込んでくるなぁ~。『ハレの日』は素朴にいい話だなと。『アイ、セイ』は個人的には称賛され過ぎなのではと思いました。BLの世界ではこういうのこそ褒めそやされるものですけど、朝田先生の作品には他にもっといい物がいくつもあると思います。
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!