兄ちゃんの話
」のレビュー

兄ちゃんの話

池玲文

さりげないディテールの作り込みが良い

ネタバレ
2022年11月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 良かったです!
池さんの作品を読むのは5冊目ですが、
ストーリー重視からがっつりエロエロまで
作品の振り幅の大きさに驚きます。

この作品はストーリー重視。
弟の目を通した兄のお話で、
家族の在り方がリアルでぐっと引き込まれます。

細かいことですが、
兄の名前が嵩大(たかひろ)で弟が史嵩(ふみたか)という
親の名前から取ったであろう名づけ方とか、
シングルマザーで働いている母親の職業が看護師とか、
おばあちゃんと弟の世話を担う兄の描写とか、
歳とったおばあちゃんが2人の名前を間違うとか、
そういうさりげないディテールの作り込みが良いです。

前編、中編、後編とストーリーが各編で転換し
弟が小学生から大人になるまでの
兄を取り巻くみんなの素敵なお話でした。

描き下ろしは、兄の恋人目線から見た「親友の話」です。
総78ページ(描き下ろし8ページ)。
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