狼は魔法を【完全版(電子限定描き下ろし付)】
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狼は魔法を【完全版(電子限定描き下ろし付)】

懐十歩

表題作のみなら☆5を付けたい

ネタバレ
2022年11月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作の他に花屋を継いだ強面男と彼に好意を伝え続ける男を描いた『枯れた花に恋の水』があり、こちらはあまり惹かれるところは無かった。


表題作である『狼は魔法を』の主人公である永瀬の高校時代を描いた『狼に魔法を』は同性を好きになる苦悩や淋しさ、心に芽生えるどす黒い感情が短い話の中にぎゅっと詰まっていて、ラストシーンは本当に辛い。

永瀬が大学生となった『狼は魔法を』では感情を読み取りにくい先輩の樋口が登場し、色々と煮詰まっていた永瀬の毒気が抜かれ、振り回しているようで振り回され、樋口も永瀬と過ごすうちに振り回されていく様が面白い。


永瀬を傷付けた井土との再会にモヤっとするけれど、樋口に火を点けるきっかけにもなったから無理矢理納得することにする。
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