青の花 器の森
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青の花 器の森

小玉ユキ

鮮烈さと爽やかさとぬくもりと愛情と

2022年12月1日
波佐見という焼き物の地と磁器に対する深い愛情が感じられる。作者の真摯な思いと、波佐見の地の皆さんが世代をかけて培った手仕事への愛情とぬくもりと、確かな技術があふれていて惹かれる。
職場のみんなもあたたかく、思いやりと力強さに満ちていて、一人ひとりの人間としてたくましく好ましい。
そんな中で、深い傷を心に宿した二人の出会いがあり、やがて二人で一つの作品を作り上げていく。
波佐見の地の爽やかさを肌に感じられるような描写、青子の語り。器一つにかけられる鮮烈な思い。創出の喜び。
作中の人たちは、そこでまぎれもなく生きている。
人物の切り取りがいい。表情、姿が心情を的確に表していて心にはまる。無から創り出す器と同じく見事に形造られている。
❲無料分4巻まで❳
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