このレビューはネタバレを含みます▼
クズな元彼の影響で占いハーミットに忠実に過ごしている天に学内でも有名な才色兼備温厚篤実な寿里が近寄ってくる。この寿里がまさに温厚そうなんだけど、うさんくさくて天も読み手も信じきれない。この裏がありそうな雰囲気がさすがマキネ先生とも思いました。他人に人生を左右されるほど占いを信じる心が理解できなかった寿里が、自分の単なる一目惚れのような恋を叔母の占いの「運命」と解して、無意識に他人に左右されて人生を選んでいるところが面白い。健気で優しい天がすてきでふとした瞬間の笑顔かわいいし、武器を失って人間らしくなった寿里に、そしてその大事な言葉に、一目で一声で絆される天。これまでが報われたように感じてほっとしました。