愛蔵版 蛍火の杜へ
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愛蔵版 蛍火の杜へ

緑川ゆき

ああ なんて。。。

ネタバレ
2022年12月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「蛍火の杜へ」は2002年のLaLaDX 7月号に掲載された読み切り作品です。夏の間だけ祖父の家に滞在する蛍は6才のときに妖怪達が住むといわれる「山神の森」に迷いこみ 狐の面をつけたギンに助けられます。それから毎年夏になると蛍はギンと森で過ごすようになり、蛍は高校生になり、互いに惹かれ合いながらも別れを意識するようになります。
とてもせつなくて苦しくなりますが、ギンが見せたあの優しい笑顔に胸がいっぱいになって、うんうんとうなずくことしかできなくなりました。
短編が2つ入っていてどちらも楽しいだけじゃない考えて悩んで ひとつ大人になるようなそんな 恋を知る お話でした。あと表題作の特別編でギン目線のお話があります。
表題作は2011年に映画になっていたようで映像でも観てみたいです。
緑川先生のメッセージやあとがきがあって、作品に対する愛情が伝わってきました。
「夏目友人帳」のエンディング曲の「茜さす」が好きで普段からよく聴くのですが、この本を読んで涙を流しながら何度も聴きました。

出会えた幻にさよならを
茜さすこの空に
零れた弱さに手のひらを
一輪の徒花
そんなふうに
願い叶え
痛みを知る

2011年9月 総172ページ
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