コメディアンブルー【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
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コメディアンブルー【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】

時羽兼成

これはすごい…

ネタバレ
2022年12月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最近はお笑いブームなのか、芸人さんをテーマに据えた商業作品が増えたような気がしていたものの、「これテーマが芸人じゃなくても…」と思う内容が多くうーん…と思いつつ、絵柄が好みだったので当たりだといいなーという淡い期待を込めて購入しました。
めちゃくちゃ当たりでした。1等です。年末ジャンボ当てた気分です。800円もかけずに7億当てました。キャリーオーバーも発生してます。

まず福砂×六花の身長差が可愛い。身長差や体格差が好きなので最高です。ありがとうございます。
高校で漫才を披露した後、秘めていた福砂への恋心を打ち明ける六花と、どうしても六花とコンビを組みたくて嘘をついて自分も好きだと返す福砂。既にすれ違いから始まる2人の行く末が不安でハラハラしながら読みました。
福砂と六花、それぞれの形の違う相手への独占欲を上手くストーリーの中で伝えてくれているし、福砂の独占欲が恋心と結びつく瞬間は、心臓がぎゅっと締め付けられる感覚になります。特に、福砂が東京から六花がいる大阪まで駆けつけて気持ちを伝える橋のシーンは一層胸が苦しくなりました。

相方としての愛情と恋愛対象としての愛情の描き分けや、シンプルにお笑い芸人として大成したいという気持ちも大切に描かれていて、ストーリーの作り方が本当に丁寧だと、話を読み進めるにつれてしみじみ思いました。

お笑いという界隈には明るくないですが、恋愛描写を抜きにすれば、かなり等身大で現実味を帯びている部分も多いように感じます。題材にするものへのリスペクトも感じられて良かったです!
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