王と恋するふたつの月の夜
」のレビュー

王と恋するふたつの月の夜

名倉和希/北沢きょう

異世界 違和感…こうかい

ネタバレ
2022年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ イヤイヤもーもー、色々と足りなかった。

父親が急逝した後、主人公ミズキは叔父たちに全てを奪われ奴隷扱いされている。そのことに不満を募らせてはいるものの全て諦めて、自分は死ぬまで蹂躙され尽くすだけなんだ〜と絶望感に浸っている。
まず、そんなコドモが勇者として選ばれ召喚されるのに違和感。
『ファンタジーが書きたい。そうだ、異世界に召喚されることにしよう、そうしよう』… それ以外の意味が見い出せなかった。

召喚したのは王宮魔導士とそのチーム。王国最強を誇る彼らが連戦連敗、ただただ敵方の後塵を拝し続けるのにも違和感があった。誰か裏切ってるよね?誰なんだ複数か?と思わせるほど、完膚なきまでに負け続けている。でも実際には裏切りはなくて、ノラ魔道士(←実力不足で王宮魔導士になれずノラになるしかなかったハンパな魔導士)ただ1名の仕掛けだったとされる。そんなんアリか⁈

召喚されたミズキは俄然やる気を出して速攻で、呪いを受けたタマちゃんを懐に1人、旅に出る。やる気が出たのは良いよ?でも1人で行く必要なくない?目立たないようにって説明だけど、少数なら随行できるよね?異世界人だよ?右も左も分からんのよ?しかも子ども。そんなオボッチャンがウロウロ、ひとり旅してたら目立つよね?そしてタマちゃん自身を連れていく必要ある?ないよね?
なんか、あれ? あれ? って違和感だらけ。

そしてやっぱり早々にミズキとタマちゃんの姿かたちまでバレて、追手部隊に襲われる。そりゃ隠密行動には向いてないしバレて当然…え?バレるの予想してなかったの?敵方の動き探ってなかったの?勇者召喚して力尽きた?
ハナっから援軍の用意くらいしとくやろ。経路に潜ませとくとかも良いよね?でも援軍は要請されて始めて結成したみたいだし、派遣されるのに1日かかってる。既に敵方は傭兵20人も雇って転送かけて来てるのに、それに気付かなかった王宮側ってどーなん?ミズキとタマちゃん、見殺しかよ。

その後、忌わしいケモノを大量に生み出し続けて大暴れさせたのは前王妃となる。この強烈な魔導の顕現を「天分があったんだろうな」って…はぁ?
努力嫌いだから修行した筈ないから天分だろうって…疲れるわ。元々単なる田舎育ちの貴族令嬢。王妃になって増長したって言われても、それで天分が開花したって?

とにかく全ての登場人物が浅いし違和感だらけ。
ツッコミどころ満載でした。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!