親愛なるジーンへ 2(特装版)
」のレビュー

親愛なるジーンへ 2(特装版)

吾妻香夜

圧倒的な愛と、救いの物語。

ネタバレ
2022年12月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ ずっと読めずにいました。
現在のトレヴァーの隣にジーンがいないことが分かっていたから、その理由を知るのが怖かった。。

1巻はトレヴァーのすべて受け入れてくれたジーンに、読んでいる方まで救われるような。

2巻は若い頃の身勝手さを全て赦してくれるような、
“ただそこに若者がいた”というトレヴァーの台詞に涙が止まりませんでした。
救われたのはジーンだけじゃなく、読んでいる自分自身のような気がします。
ジーンがカナダへ行く前にトレヴァーを抱こうとした理由も、そこにはあまりにも圧倒的な愛しかない。

そんなに愛し合ってたのに15年も何の連絡も取らないなんて、、憶測でしかないけど、声を聞いてしまえば決意が揺らいでしまう、甘えてしまう、帰りたくなってしまうからだったのかな。
或いはトレヴァーが言っているように、毎日を一生懸命生きていたら時間だけが流れ…心からの愛されていた、という事実だけで一人でも生きてこれたのか。
何より、性愛を超えた、人間愛で繋がっている2人なのかな、と感じました。

作中にもあるように、その関係性に名前はいらないのかもしれません。

特装版ということで価格はお高めですが、この値段に見合うだけの素晴らしい画力と映画を見ているかのような素晴らしいお話でした。

BLという枠を越えた、“人間愛”の良作、ジャンルにとらわれず、後世に残したい作品です。
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