スリーピングデッド
」のレビュー

スリーピングデッド

朝田ねむい

わぁーーーーー

ネタバレ
2022年12月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 某レビューサイトで闇BLランキング2022年下半期の堂々1位に選ばれており、ガチバッドエンド!と謳われていたのでこれはと思い購読。
上下巻でかなりのページ数がありましたが(上巻244p、下巻に至っては346p)、淡々とお話が進んでいき一気に読めるのでページ数は気になりませんでした。
万人受けするような内容ではないとは思いますが、そこに確かに愛があったと色んな人に伝えたくなる作品でした。
髭の生えたハゲ頭の男がこんなに愛おしいと思ったのは初めてです。

元教師でゾンビにされた佐田×マッドサイエンティストの間宮。
殺された佐田を見つけ、自分の研究を使って佐田を甦らせることに成功した間宮。初めは貴重な被験体と研究者という関係性だったのに、お互い話をするうちに同級生だった事を思い出し、一緒に過ごす時間が長くなるにつれて惹かれていくストーリー。
佐田がゾンビかした事で、同種の死骸した食べられない体になったため、2人で殺人を犯していくのですが、そんな自然の摂理に逆らった行為がいつまでも続くわけでもなく…。
突然きた別れの恐怖に焦る間宮と、間宮にたくさんの言葉を残そうとする佐田。
下巻の後半は声を出して泣きながらページを捲りました。
佐田はゾンビになってからというもの、生には固執してなかったようですが、間宮を見て、間宮のために一緒に生きてたのかなと思っています。
間宮は、高校生の時から佐田に興味があって、唯一の理解者だと思っていたのかな。
同じやつ(中橋木)が嫌いで、一緒に嫌がらせを行動に移してくれた。それだけでも、あの時の間宮にはとても救いだった。
それを佐田がゾンビになった今、その時の思いを消化するように食糧として殺人を一緒に行ってくれる。
佐田はゾンビだけど、被験体として以上に特別な存在になるのは必然だなぁ…
ラストはバッドエンドなんでしょうけど、もうこれ以上の終わりはないと思います。佐田を失った間宮にはこれが最上のラスト。良い終わりでした。
いいねしたユーザ7人
レビューをシェアしよう!