ひとりぼっちのワルツ
」のレビュー

ひとりぼっちのワルツ

羽純ハナ/松本いさ

う~ん。残念!良作だけど……

ネタバレ
2022年12月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ これはページ数の問題だろうな……と。
原作が小説で、きっともっと色々と細かい描写やシチュエーションの設定などがあるんじゃないのかなと思います。それを漫画にしようとすると、説明不足になるのだと感じました。
他のレビューであるように、使用人の態度の悪さなど、不自然に感じる事がいくつかあります。そこが勿体ない!
まず、主人公。自分の血筋の人間に期待されずお荷物扱いされて、自己肯定感が低く育っているというところをもう少し辛辣に描いた方が、思考回路に説得力が出ると思いました。一番気になる使用人の件も、例えば、攻めに対しても、嫌悪感を抱いているという設定にするか、もしくは番候補のごひいきの人物がいて、その人が振られて別の番候補が迎え入れられたから反発しているなど、もう少し、あの態度に対する理由付けが欲しかったです。……ただ、猫に冷たくする理由がイマイチ分からない。複数使用人がいれば一人くらい猫好きがいそうなんですけどね。異世界か時代物にして、「縁起の悪い黒猫と特殊な体質の不気味な坊ちゃん」と言う事で忌み嫌われたというならまだ分かるかな。
あらすじだけ抜き出すと、結構な問題亭主ではあると思いますけどね。
素面の時は無関心で酔っぱらったらしっかりすることして、泥酔していたはずなのに事後ちゃんと自室に戻っていつも通り就寝した……ってね。色んな意味で立てるんだなと思いますが、まぁ、作家さんの作り出す空気感が良くて、ツッコミ入れずに読もうと思わせてくれました。することした後、そのまま爆睡して朝吃驚してくれたらなんてことない話だったんですけどね。
雌側の秘密も、相手に明かしてはいけない理由がもう少し欲しいですよね。悪用されるとか、脅迫に使われるとか。その実例とか。
そしてラスト。「取り返しのつかないことになってしまった」とか、「もう体がもたない」と書かれていたから、両想いになってキスやら何やらしても、もう短命になっていて余命が少ないのかな?ともとれるし、その割には、弟想いのお兄ちゃんが「この家ではH禁止」と言っているようだったから、もう問題ないのかな?とも思えたし。あえてどちらにもとれるようにしているのかな?ピュアだけど情緒未熟児の二人が番になって必死に生きようとする印象ですね。でも応援したくなります。明るい続編があったら嬉しいな。
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