俺の花婿はお前じゃない
」のレビュー

俺の花婿はお前じゃない

ミナモトカズキ

笑えて、痛い。ガチなBL

ネタバレ
2022年12月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みが面白くて、思わず購入しちゃいました。御曹司として生まれ、両親の期待に応え、運命のままに幸せな人生を送る。ゲイに生まれた渉は、結婚までは男遊びを楽しみ、結婚したら夫として人生を全うする覚悟でいます。そんな渉が出会ってしまったのが、見合い相手の兄で会社の先輩の正宗です。完璧な御曹司を演じ、本心を見ないようにしてる渉に、真っ直ぐで、全くブレない正宗。渉がけゲイと分かった後に、正宗は渉の努力を認めて、自分の人生を歩めと言うのです。至極、真っ当。渉は、怒りや嫌悪と一緒に、正宗に無意識のキスを返すのです。でも、それから、すぐにBがLするとはなりません。渉が、真っ直ぐ向かってくる正宗を、ことごとく拒否するのです。明らかに正宗を好きなのに。結婚して良い人生を…に囚われたすぎて、可愛さも感じられないし、あんまり好きじゃないかなぁと、最初は思ったのですが。あー、でも、これは、案外とリアルなのかもしれない。そう考えると、ギャグ寄りなのに、渉に痛さや哀しさも感じます。ゲイの自分と、社会的に波風立てずに生きて行く自分、そこに整合性をとるために、渉が選択した人生。渉は結婚したらゲイは封印し、奥さんと幸せな家庭に尽くすと決めてます。渉なら、きっと実行出来たでしょう。でもそこに、好きな人が出来てしまった。しかも男を好きになった事や渉の環境に、全く物怖じしなかった男だった。攻めも受けもキャラが立ってるラブコメですが、ただ楽しいだけではないです。渉を拗らせてるとも言いたくない。渉の選択を、ドキドキしながら読みました。話の核だろうと思われるところ、渉の家庭、曖昧に終わってます。曖昧な終わり方がイヤという事はありませんが、この作品では、どんな形に収まるか見たかったです。
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!