このレビューはネタバレを含みます▼
普通、続編となるとちょっと事件が起きて解決したりすごく先の未来について描かれたりすることが多いのに、GALS!で高校卒業したそのすぐ後からの話でしかも主人公カップルが別れるという前代未聞なストーリー。
もう、最高でした。私は完全にこの流れに肯定派です。
人生って感じ。高校時代ノリが合う!って感じで付き合った二人でしたが、卒業後は夢だったり家庭環境だったりの違いでノリだけでは上手くいかない…みたいなのが、この続編では残酷なほど描かれていました。
特に乙幡くんのように車持ってたり高価なアクセサリーをほいほい買えるような子と、ナツのように親からお金をせびられ逃げないといけないような子と…。
そういう違う世界があることを知ってなお、この世界を守れる人になりたいと思い続けることができる蘭のさらなる続編がまた読めると嬉しいです。
タツキチと一度ヨリが戻ってまた別れる決意をするところも、すごくよく分かるなと思いました。
別れたいわけじゃないけどこれはもうきっと上手く付き合い続けれないなと分かってしまうあの瞬間が切ないです。
付き合ったら幸せで、付き合わなかった(別れた)ら不幸せ、なんて恋は単純なものじゃないという、前作の流れを丁寧に引き取りながらも全く違う、精神的に大人な続編でした。
乙幡と綾についても同じで、付き合ってるからOKなのではなくちゃんと綾がNOと言えるようになるまでの成長と、それをクリアしたからこそ得られる幸せが描かれていて良かったです。
一見全然違うように見えて、タツキチ&蘭と乙幡&綾の話はどちらも高校時代に付き合うという形をとっていたものの、深いところに踏み入れられていなかった精神的な付き合い方についてを描いているんだと思いました。