ベッドの中の他人
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ベッドの中の他人

夏樹静子

この推理小説が読みたかった!

ネタバレ
2022年12月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 僕は阪神淡路大震災の前夜にこの推理小説の存在を知り、今回コミックシーモアで値下げしていましたので購入しました。夏樹静子氏の推理小説にも殺人犯を主人公にした作品が沢山ありますが、表題作で1作目の「ベッドの中の他人」もそうでした。幾ら何でも、主人公の「圭子」や愛人の「勝彦」みたいに「自分の妻を殺害してでも再婚しよう」なんて企てるのはあまりにも人の道から外れていますね。山村美紗氏の「琵琶湖別荘殺人事件」や葵瞬一郎氏の「東海道新幹線殺人事件」などの「殺人事件の被害者が実は殺人事件の張本人だった」と言うあらすじの推理小説は沢山ありますが、2作目の「社長室の秘密」の被害者の「藤尾嵩」もそうでしたし、この男に無理矢理「殺人犯」にされました「竹下紀子」と言う女性、本当に可哀想です。推理小説の場合、「アリバイの完璧な人物」や「動機の弱い容疑者」や「新たな容疑者」が一番怪しいと言われていますが、僕も「中保豊」が3作目の「故人の名刺」の殺人犯で「杉良吉」が4作目の「ある失踪」の殺人犯だと推理していました。5作目の「猫が死んでいた」みたいに「間接殺人」をテーマにしました推理小説は極めて珍しいでしょう。7作目の「階段」の殺人犯の「君枝」や8作目の「まえ置き」の殺人犯の「大川」には勿論ですが、6作目の「山手線殺人事件」の殺人犯の「早田」にも無性に腹が立ちました。「山崎佐知子」と言う女性を妊娠させた上に山手線の「車内暴力事件」のどさくさに紛れて殺害しましたから。9作目の「動機なし」の殺人犯の「柏木とも子」と被害者の「野上千鶴」と被害者の彼氏の「占部茂」、本当に可哀想です。不運だったとしか言いようがありません。10作目の「一年先は闇」の主人公の「淳子」と言う女性、本当に不運で気の毒ですね。愛人の「持木」の妻が死んだ途端に殺人容疑をかけられましたから。
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