このレビューはネタバレを含みます▼
ただ、人を好きになったと言うだけでこれだけドロドロ愛憎に満ちた展開になるのは凄い。もしかして執着攻めというジャンルの原点でなかろうか、晃二は。
最初、惚れた理由がちょっとありきたりで安っぽいし、読んでいくにつれ展開が読めてきたので、そこだけはちょっとマイナスだった。でも、ところどころ胸に刺さる言葉とか小説を読んでるかのような心情描写にぐっときた。アメリカに渡った後からの展開が、ラストどうやってまとめようか苦悩したんだな、ってわかるぐらい強引だったのは残念。誰かにこの全ての幕引きをしてもらわなきゃいけない。でもお兄ちゃんはそこまで悪ではない。兄も被害者。そこで急にでてきた黒幕。ちょっと無理があるかなぁ。あと展開が急にスピードアップ。
最期、はっきりとは描かれなかったけど死ネタを想像できるバッドエンド。幸せのうちに死にたい、なんて。
でも私は結局死ねなかったと思う。タクトは瞳に光を取り戻したし、本当に死んでもいいと思ったならとっくに死んでたシーンは幾らでもあった。
それでも生きていかなきゃ、って葛藤して葛藤して、そういう二人だと思う。
抱える問題は多いけど、この二人ならなんだかんだなんとかなると思う。
その後、が読みたいな。
とにかく超大作だった。
今、こんな巻数BLで出せるかな?