これが最後の恋の話
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これが最後の恋の話

南々子

二作品とも満足度の高い最高傑作

ネタバレ
2023年1月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 全220ページ、表題作含め2作品が収録。今まで2作品以上収録されている作品はどこか物足りなく感じる事が多かったのですが、こんなに2作品とも大好きで満足度の高い作品は初めて!エッチシーンはそれぞれ1回(表題CPは描き下ろしで1.25回くらい)と軽めです。
表題作は少しSF風味のキャンパスもの。恋人を探し転生を続ける浅海×浅海の命を救い恋人探しを手伝う鈴の物語。例えるならオメガバースにおけるα×βのように、二人の恋は運命では無かったのかもしれませんが、既存の運命が書き換わり、新しい運命が芽生えた瞬間の物語のように感じました。話の構成やテンポが素晴らしく、100ページ程度ですが満足度がすごい!浅海の「死」の記憶の表現、鈴の言葉選びなど、本当にセンスのかたまりです。
もう1作品は、鈴達と同じ大学で育まれる別の2人の物語。新入生の綿貫と亘理が、ふたりの「特別な景色」をきっかけに出会い恋に落ち、互いの好きを深めていくお話です。前作とは違いSF要素はなく、日常的で王道なキャンパスラブストーリーなのですが、二人の真っ直ぐな性格が清々しくて最高!
相手の良いところをストレートに伝え合い、互いに好きを深めあっていく姿は安心しながら読めるし、それが2人ならではの空気感を作り出しているように思いました。2人とも真っ直ぐすぎて逆に新鮮なCPかもしれない。こちらの作品には、表題作の浅海と鈴が登場するので、2作の繋がりを感じながら楽しめました。どちらも本当に素敵なので、どうか本当にたくさんの人に読んでほしい作品です!
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