黒猫は狼王子の夢を見るか【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
野津ウドン
このレビューはネタバレを含みます▼
●まぁ一般的な「身体（えっち）から始まるお話」とはちょっと違いますが…笑。こんなにピュアな葵が一目惚れして恋した王子様がAV男優っていうのも若干違和感ありますが、その違和感をふっ飛ばしてくれるくらい葵はまっすぐで素直でいい子です！かわいい！でも、雪央も雪央でかわいいのです。こっちは素直じゃなくてかわいい！笑
●雪央に出会うためにAV業界でバイトする葵。アクシデントで雪央と会えて、流れで出演…？いやそれもどうなんだ。トロトロの甘いえっちですが、直後に雪央の本性を目の当たりにして、王子様像が崩壊。そこから二人の関係が現実のものとして動き出します。
●そう、雪央が全然王子様じゃないところがこの作品の大事なところなので、王子様を求めて購入してはいけません…。そう思って表紙を見ると、ポーズこそ姫抱っこですが、二人の表情が絶妙だと思います。
●雪央は上位種の狼。媚びてくる奴が嫌い、権力で何とでもしてしまう両親が嫌い、そしてそんな状況を変えられない自分が嫌いなのです。本当は弱虫。だけど葵は「お前狼だっけ？」とあっけらかん。そういう葵の態度に、雪央はだんだん心を開いていきます。
●葵の方は「こいつは王子様なんかじゃない！」と“失望”するために素の雪央を知ろうとしますが、知れば知るほど気になって…。二人ともお互いに近付くことで「自分の中にある“壁”や“理想”」を壊すことができるんですね。
●終盤はもうヤキモチの焼き合い！目的持って当て馬やってた晴成も、私は好きなキャラです。「王子様、俺じゃダメか」っていう雪央の告白好きでした。そして王子様であろうと頑張る描き下ろしもかわいかったです。
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