半分あげる【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
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半分あげる【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】

有馬嵐

深い深い場所でずっとずっと繋がってた2人

2023年1月12日
幼いゆえの無力さ、つたないコミュニケーション。降りかかる現実がとても切ない。白木のはにかみも可愛いのに痛々しい。幼かったあの日の自分の行動は正解じゃなかったと悩む黒川にも胸がしめつけられる。
でもあの時期、あの瞬間、この相手だからこそ生涯に大事な3日間になったんじゃないのかなぁ。
前半は辛い描写も多いので苦手な方もいるでしょうけど頑張って読んで欲しいです。
未成年→社会人での再会。幼き日の記憶とお互いの心を解いて踏み込む過程が切ないけど心あたたまるハッピーエンドです。
今までも、これからもずっと一緒に分かち合い、請負い、乗り越えて行くであろう2人が眩しい。黒川の白木へのセリフはもうプロポーズと何ら変わりませんよね。素敵。タイトルも素晴らしい(英語のタイトルも好きだなぁ)
余談ですが読後、映画スタンド・バイ・ミーを思い出しました。この映画も複雑な家庭環境の子供達の逃避行(冒険)と交流描いてたな、と物語は全然違うのにリンクしてしまいました。
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