このレビューはネタバレを含みます▼
「反逆のジーク」というよく読んでいた本の悪逆公爵ハインレイドに生まれ変わった主人公が今まで行ってきた残虐行為の凄まじさ(本当に無慈悲)のため自滅の道を辿ろうとするお話でした。
作者様が悪役好きで「同情の余地はない、けれど何故か魅力的」な悪役を書きたかったそうで、あやうく暴君ユーベルハルト国王ではなくハインレイドが元凶認定されそうな感じがしてヒヤヒヤしました。ラストはほの暗め。やはり悪役感を残されたかったのでしょうか。護衛騎士のグレイグが哀れ。
でもこういう物語の登場人物に転生みたいなファンタジーにファンタジーを重ねるのはなんか軽く思えてしまうのでどこぞの世界の生身の人間であってほしいです。それまでの悪行は察するみたいにして。でもそうなると元の魂どうなった?となるのですが。
人生を好転するために頑張る転生ものと違って死を望むという変わった設定で興味深かったです。
2019年6月 総359ページ 挿絵あり