【電子・応援書店共通特典付】ファントムドッグーbirthー
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【電子・応援書店共通特典付】ファントムドッグーbirthー

吉田屋ろく

待ってました!!

ネタバレ
2023年1月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前作『ファントムドッグ』を見た時の衝撃が忘れられず、スピンオフの情報が出てからずっと1冊にまとまるのを今か今かと待っていました!
こちらは前作にも登場した、京の事務所の社長・神林と、京のマネージャー・榊の執念と愛憎の物語。
前作の最後で、2人は何かあるのかな?という描写があったので、そこが上手く今作で回収されてとても嬉しかったです。

神林に心を奪われた榊×ファントムドッグと呼ばれる右京のペット・神林。
右京は京の父親ですね。育ててはいませんが。
なかなかハードな三角関係です。
初めに会った時から神林に惹かれていた榊、右京のペットに成り下がってもそばを離れたくない神林、神林が誰かに抱かれるのを見て興奮する右京。
それぞれの気持ちが入り乱れて空気は重めです。
特に右京は、こいつ人の心とかあるのか!?と思うようなセリフや行動が多くて腹立たしかったですが、そんなところも神林にとっては魅力だったのかもしれません。
ファントムドッグのお陰で今の地位を確立した右京ですが、家柄もあってお見合い結婚をし、なかなか子供に恵まれずにまた別の彼女とも逢瀬を重ねる。芸能界ってこんなところなんだろうかとドス黒い気持ちになりました。
失踪から10年経ち、新たに京を連れて榊の前に現れた神林の復讐心も凄い。それはもう右京に執着している証ですよね。
そんな執着をも上回る榊の神林に対する愛がまた凄いです。
好きの感情だけで、その好きな人の周りに誰もいなくなって縋る相手が自分だけになればいいと思うくらいの執着が凄い。
最終的に、榊の愛情に絆される形でくっつきましたが、ここまで神林を愛してくれる人はこの先も現れないだろうなと思います。愛が重い。サラッとしているようで執着凄い。
なかなかの重さで大満足です。
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