このレビューはネタバレを含みます▼
音楽バカのギタリスト・来間×人間嫌いのシンガー・二兎。醜い人間が嫌いで美しい音楽を愛する二兎は、とても美しいとは言えない来間のギターに一瞬で魅せられる。バンドを組んで順調に事は進んで、でもずっと同じ感覚を共有していると思っていた来間とのズレに気付いてしまう。音楽に魅了された二人が寄り添い合ってはすれ違い、それでも音楽を通して結び付いていく唯一無二の関係性。感想を書くのが難しいけど、ずしんと心に響きました。すべての中心が音楽なのは同じだけど、より感覚的に生きている来間と二兎のズレが辛い。もう二兎がずっと傷付いてて痛い。来間が残酷なほど音楽のことしか考えていなくて、でもそんな来間だからこそ二兎はどうしようもなく惹かれるわけで。恋なのかは分からないけど、より強い絆で結ばれた二人が離れることはないだろうと思える。総302Pの大ボリュームで読み応え抜群でした。