男に抱かれるために生まれてきた【合冊版】
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男に抱かれるために生まれてきた【合冊版】

三雲譲

全てを失い、手に入れた光

ネタバレ
2023年1月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 設定としては、ホント胸っクソ悪い(失礼!)んですが、そもそも、その設定がないと始まらないお話なので。僧侶達の慰み物にされている稚児に恋をする僧侶見習いのお話。紫苑は幼い頃に寺に連れてこられ、稚児として生きてきたため、自分がおかれている状況の異常さも分かっていない。むしろ親が亡くなって生活も立ち行かないところを助けてもらえてありがたい、とすら思ってる。なんて胸クソ悪い!そんな紫苑の眉目の美しさに惹かれ、次第に人となりの美しさに惹かれていく僧侶見習いの宗光。衝動的ではあったかもしれないけれど、何もかもを捨てて紫苑を救い出してくれる宗光がいてよかった!しかしねー…いい大人、しかも修行して徳をつんだ坊さんがあれだけいながら、宗光が動くまで皆がみんな見て見ぬ振りかよ!ってのには怒りを覚えますねー。結局、宗光の人生は思い描いていたものとは全く違うものになってしまったけれど、代わりに思いもしなかったものが手に入ったのかな。想像もしていなかった宝物が。それで幸せになってほしいな…
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