花葬りて、夜
」のレビュー

花葬りて、夜

市ヶ谷茅

星4,7。余韻が強い。人間の複雑な感情。。

2023年1月18日
173ページ、表題作2話+短編カフェ・ティミディテ、計2作品(詳細は下記)。

これは、、、だいぶ余韻の強い作品。。。
確かにハピエン鉄板に近いBL分野で、このラスト……!
いや、、でもコレもある意味、ハピエンなのだろうか。。。

タイトルや番外編タイトルにあるよう、なかなか人間味の強い、人の中にある複雑な感情を良く描き表したお話です。
恋愛だけでなく、ストーリー自体に魅力のある作品。
じっくりと惹き込まれる映画や小説を読んでいるよう。。

作者さん名で検索し、納得!
けむにまかれて、の方でしたか。。
あれもアクの強い、読みごたえのあるお話でしたが、年を重ねた人間(イケオジ)の魅力を描くのがとて、も上手い作者さんのようです。

本作も、成功を手にする世代と、これから成長していく若者。
年も立場も全く違う3人の交差する人間ドラマ。。
この内容にしては短いページ数なので、それぞれの過去に見えてない部分も大きいですが、それを感じさせないのは、お話の構成が良いからでしょうか。。

ハッピーエンド=幸せなラスト…。。
ある意味あのタイミングは、幸せな瞬間だったのだろうか。。。?

テーマの割には黒い部分はソフトなので、読みやすいです。
もう少し夜野田の闇な部分がしっかりあっても、それはそれでこの作品の魅力自体はより光ったでしょうけど、、、(さらに好みが大きく分かれたかも?)。

本編は2話だけなので後ろの番外編合わせても、たった140ページそこそこ。
とはいえ、そう思えないほどのしっかりとした読み応え。
そして物足りなさがない。。
というかこれ以上の描き足しがいらない。。
強いて言うなら、その後の主人公がどうなったのかを、ちょろっと垣間見たかったです。。

〈短編〉
25ページ。配達員と御用達カフェご飯の、明るいラブなお話。
あとがきにて、タイトルはWeb掲載時より改題、とのこと。
(ティミディテ意味:仏:恥じらい)←…なるほど!

〈おまけ&番外編〉
夜野田視点:才能と劣情17p+弓越視点小説:良識と愛人1p+大人たち学生時4コマ2p+あの時のネーム裏話1p。
その他余白おまけがそれぞれ分、2p+1p付。
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