2119 9 29【イラストあり】
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2119 9 29【イラストあり】

凪良ゆう/草間さかえ

阿部ちんがすごい

ネタバレ
2023年1月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ ショコラ文庫さんから出版されている凪良先生の本が2月28日で販売停止になると知り、いくつか積読していたので残りの本も購入しました。
1番評価の高かった(現在4.9)こちらをはじめに読みましたが、「ショートケーキの苺にはさわらないで」のスピンオフのようで前作のネタバレが含まれているので「ショートケーキー」から読まれたほうがいいと思います。
両親の経営するレストランでシェフをする阿部がレストランの常連から預けられたのは裏ドール(性 交渉に特化して作られたアンドロイド)の高嶺。人間からモノ扱いされていた高嶺を阿部は大切にします。高嶺が心を持っているかのように。
BL小説ってBのLに集中するためか、登場人物を家族に縁遠いものにして周りの人間をあまり描いていないように思うのですが、凪良先生の本では家族や友人が登場して、恋愛だけでなく家族愛や友愛を多く描かれているように思います。この本も主人公の阿部の両親や友人達、レストランの常連が登場して阿部の助けになります。特に両親の阿部を信じ、守る姿が素晴らしかったです。そして最後まで貫いた阿部の責任感と一途さに胸を打たれました。近未来小説ですが、描かれていたのは阿部と高嶺の結びつきを含めた家族愛や地域愛という身近なテーマだったように思います。
2017年7月 総270ページ 挿絵あり
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