このレビューはネタバレを含みます▼
主人への熱意だけは伝わるけれど、執事をどんなに好意的に考えようとしても無理でした。元々、魔術師から辺境伯になったヒーローと地元民の使用人だけで辺境伯領を経営するのは無理だったのでは?と思います。執事は自分の故郷の発展には熱心でも主人の書類仕事は散らかった束をそのまま机に戻すだけ。慣れないヒーローには大変な仕事量ではないでしょうか?貴族の補佐が出来る人間が必要だったのに、自分を頼りにして欲しかった執事がそれをさせなかったのではないかと勘繰ってしまいます。そんなだから使用人全員が平気で伯爵令嬢にありえない態度を取るのでしょう。最初の一週間で噂と違うと感じたはずなのに、頑なに噂を信じて嫌味を言い続けるのも嫌でした。そしてヒーローは執事が自分の婚約者を一週間放置していた事実を知っても軽くスルー…。
ヒロインの不遇を知って執事も心を痛めたのでしょうが「遠巻きに噂していた貴族より直接嫌がらせしていたあなたの方が酷いからね?自覚してるの?!」と言ってやりたいです。
物語の本筋と違うこんなモヤモヤを残さずにヒーローとヒロインの恋に集中できたらもっと読後感が良かったと思います。