エゴイスト
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エゴイスト

高山真

身勝手だとは思わない

ネタバレ
2023年1月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ ゲイである著者の自伝的小説です。子供の頃のいじめ、上京して得た自由な生活、そして8才年下の恋人とその母親との関わりが書かれています。
この小説に「エゴイスト」というタイトルをつけられた著者の気持ちを考えると、とても悲しくなります。全てに最適解を選べる人生なんてないと思います。よかれと思ってしたことでも後悔することはあります。この小説の浩輔もできる限りのことはやったはず。突き詰めて考えると出会ったことが間違いになってしまう。彼の素朴で礼儀正しくて控えめな母親思いの美しい恋人。
読んでいて何度も涙しました。途中からはずっと泣いていました。読み終わってからも思い出しては泣き...。
いじめ、病気、貧困、苦しんでいる人が声を上げ、手を差しのべられることを願っています。
著者にこの本が映画になることを知っていただきたかったです。多くの人に観ていただきたい。私も観ます。
2010年9月6日 初版発行 総122ページ
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