このレビューはネタバレを含みます▼
今までBL作品は何を試し読んでも心動かなかったのですが、初めて試し読みで心惹かれこの結末を見届けたいと購入にまで至った作品です。とにかく絵柄がとても綺麗で惹き込まれるのだけど、それと相まってストーリーのなんと美しきこと。辛い家庭環境で育ち、強がってるけど自己肯定力が低い北原くんと学力も家柄も恵まれてるけど優しさにつけこまれて人間不信になってる一条くん…正反対で反発しつつも助けてくれたことから始まっていく交流、少しずつ変わる感情。それらがとても丁寧に描かれていて急な展開が苦手な私も十分に満足するストーリーでした。今まで失くしてきたもの、捨ててきたもの、捨てるしかなかったもの。それらを掬い上げて、押し上げて、包んでくれる…温かい光に包まれて安心してそっと涙が溢れるような、宝物みたいな作品でした。オメガバースという性はあるけれどそれを抜きにしても出会うべくして出会った2人だと思います。意外と泣き虫な北原くんだけど泣けるくらい感情を露わにできる存在だってことなんだよなぁ…大切な人のために料理が上手くなるスパダリ一条くんは最高彼氏すぎますね。お気に入りシーンは床に倒れこんだ後のキスシーンと描き下ろしのイチャイチャと北原くんの笑顔です。2人一緒にこれからもおいしいものいっぱい食べて一生幸せに暮らしてほしい。続編も出たということで単行本化されたらぜひ購入したいです。結婚するときは言ってください。私が教会を建てよう。
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