イミテーションハッピーライフ
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イミテーションハッピーライフ

吉田ゆうこ

吉田先生の描くその笑顔が切なくて堪らない

ネタバレ
2023年2月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者買い。吉田先生の描く男の子の笑顔が切なくて堪らない気持ちになります。互いに想い合って幸せなのに、それは硝子細工の様な幸せで簡単に外部から壊されそうな…どこまでも続く不安定さが、初期のBLを思い出して泣きそうになります。
この作品も染谷の家庭環境から同棲に至るまでと、そこからの2人の未来に染谷の記憶障害…という健康不安が2人の幸せを一瞬で壊してしまう様な不安定さで、とても切なかったです。それでも先生は愛してると、大丈夫だと、染谷と生きて行く覚悟をするのですが…そこもまたまた切ない😩

愛し合っている相手がもし記憶障害を発症したら…。例えば長年の恐怖やストレスからのもの、睡眠薬の副作用など…起因は様々ですが、ただ何が1番辛いかと言ったら、2人が肌を重ね合うその感触を染谷、忘れないでね…と。今いっときは大丈夫かもしれないし、もしかしたら克服したかもしれない。病院に通う、そのまま過ごす、そんな人生選択は物語の中では描かれていません。染谷が求め先生が答え、それが愛に変わる過程だけを見せてくれている。その愛は永遠だろうけど、染谷がどうなるのか、先生がどうなるのか…そんな不安定さが、未来の無い初期のBL作品を思い起こす内容で、繊細で、それでも求め合う2人が切なくて、はぁーとなりました。吉田先生の作品、好きです💦
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