僕らのミクロな終末
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僕らのミクロな終末

丸木戸マキ

世界線はよかったけど、人物は共感できず。

2023年2月5日
遥か昔に読んだ少女小説の影響で、「隕石で地球滅亡」と「ありふれた恋の話」という組み合わせにとても心惹かれました。滅亡直前の世界で、変わらずにに過ごす人が意外と多いというのがリアルな気がしました。
でも私にはメイン人物4人とも感情移入しづらかったです。
クズ男はクズ男なりに、内側に何か抱えている感じとか、弱さとか可愛げとか、あるいは強烈な吸引力とか……何かしら惹き付けるものを上手く混ぜ込んで見せてくれないと、しんどい。9割方クズなところをずっと見せられて、最後に実は……と明かされても、後出し感が凄いです。2回目読み返しても、伏線はちょこちょこあるけど、律の想いはほとんど感じ取れなかった。
真澄に至っては、過去も現在も、果たして律という人間をほんとうに好きなのか、よくわからずじまいでした。
上巻の最後、真澄に電話が掛かってくるエピソードだけは好き。ああいう感じをもっと見たかったです。
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