婚約者は、私の妹に恋をする
」のレビュー

婚約者は、私の妹に恋をする

はなぶさ/宵マチ

只ひたすらに悲哀

ネタバレ
2023年2月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ ループ系の小説等読んできましたが、この主人公は本当に切ない。前世を思い出す場面が同じ、しかも淑女としてどうしようもない失態(好きな人がいたら当たり前の牽制だけどね)をした後。やり直しは出来ず、巻き返しをしようにもどうしようもない。何度も回避しようとしては違う結末を迎える。ただ只、婚約者と妹が恋に落ちていく姿ばかり見つめる。愚直なまでにひたむきな恋なのに、婚約者には蔑ろにされる主人公。作者は一体この主人公をどうしたいのだろうと思うばかり。
只救いがあるとしたらトリックスター的なカラス。彼が居たから主人公は狂人にならずに、繰り返す生の支えになっている。
この2巻で少し変化(微々たる)が見えたが、これからどうなるか予想が出来ず楽しみである。だけど、主人公に同調しすぎたり、気落ちしている時に読むと気を持っていかれる(気持ちが下降してしまう)ので気を付けた方が良いかも知れない。
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