救いのなさがリアル

ネタバレ

2023年2月8日

このレビューはネタバレを含みます▼ 読了後の幸福感や爽快感はありませんが、方向を違えて別れてしまうあたりもリアルで、ご都合主義ではなくて好きな終わり方でした。幸せなエンドを求めている人には嫌な終わり方なんだろうなと思います。
西藤が、ただただ東条が可愛くてとか、あるいはほっとけなくて惹かれたところから始まったなら、違う結末もあったかもしれませんが、彼女の辛い記憶のひとつであるラブドールを購入し愛して、それに似ているという理由で惹かれ始めるわけですから。
これで彼女の身の上話を簡単に聞いた上で、それでも彼女に対して何の罪悪感もなく接するような人間なら、薄い作品になってしまいかねないと思うので、ある意味では彼女が接してきた男たちの中では1番彼女に対して誠実なのではとすら思えます。
東条さんが幸せになる未来がありますように。

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yowakage さん

(女性/50代) 総レビュー数：0件

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