拾われリリーは甘い嘘にほだされる ワケあり貴族さまは初夜から溺愛です
tsugumi
このレビューはネタバレを含みます▼
母親が使用人と駆け落ちをして生まれたリリー、両親が亡くなった事で母方の家に使用人として引き取られ育ちます。そこでは住居こそ与えられたものの存在を否定され、赤みがかった髪はかつて使用人だった父親を連想させる物で「汚い、みっともない」と言われ育ちます。唯一優しくしてくれ将来を約束していた人にも裏切られ捨てられ家を追い出されてしまいます。行くあてもなく彷徨っていたリリーはふと見掛けたユニコーンの置物に惹かれとあるカフェの前に立ち止まります。ユニコーンは両親が読んでくれた絵本の中でも1番好きな物語り…ふとそんな事を考えていた時カフェの扉が開き店のオーナーであるクリスティンに招き入れられる。この2人の出逢いが物語の始まりです。
一方的に不幸なリリーがクリスティンに溺愛されるのかと思ったらクリスティンの方も複雑な過去があり、2人は立場や住む世界が違っていても似たような悲しみを抱えていてお互いがお互いの足りない部分を埋め合うような存在になって行くのが素敵だと思いました。
ほぼ毎回エロ展開になりますがクリスティンが胡散臭くも格好良い(笑)
最初はリリーの状況を利用し擬装結婚を持ち掛け言葉巧みにリリーの初めても奪ってしまいますが…気が付けば本気でリリーを愛して溺愛しまくるクリスティンが良いです。
リリーを傷付けて捨てた相手にも見事ざまーして、クリスティンの抱える問題も素直で優しいリリーに助けられながら解決していく…どんな時でも2人で乗り越えて行く姿に好感が持てました。ユニコーン…最後まで重要なキーワードになります。
問題を解決した後のリリーを取り囲む優しい人達と1匹の存在に絆される(笑)
それはクリスティンも同じで…実の母親との再会シーンは少し泣けました。
読後感の良い作品だと思います。
すぐエロ展開になりますが…リリーが可愛らしいから仕方ないのか?絵の上手さも際立っていて安心して読めます。長々続く事なく3巻で終わったのも良かったです。
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