「死んでみろ」と言われたので死にました。
」のレビュー

「死んでみろ」と言われたので死にました。

江東しろ/whimhalooo

題名と設定は最高に魅力的、なお本編

ネタバレ
2023年2月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ めちゃくちゃ上から言っていいですか?多分なんですけど、作者さんの実力から扱うテーマとしては設定が重いんです。そしてその設定がとても魅力的なのでつい読んでしまう。題名から導入でものすごくワクワクしました。でも釣り合ってないんです。言葉選びとか、人間の心理とか。Web発ということでライトな感じを想定して書いてたのかもしれません。ヒロイン父とか副団長とかの人格含めて。でもそれにしては、テーマが激重路線で作者さんの作風?実力?と釣り合わないんですよ…。
義母の讒言鵜のみの無関心な旦那、悪意しかない義母、その義母に育てられた息子。 故郷に両親はなく、帰る場所もない。下賜品のように国から嫁に出され、推定十年以上無関心と悪意で蔑まれ軽んじられ、産後の肥立ちが悪くても病を得ても心配もしてもらえず、着てるものも体型も装飾品も「浪費」に釣り合ってないのに気付かず貶めることだけは怠らない旦那。(毒さえ盛られていたおまけつき) この状態でヒロインのモノローグや口に出す言葉が「あったまきた!」「だいっきらい!」そして衝動的に自分の胸を突く。 状況と心情と言葉、やってることの重さがちぐはぐすぎます。これ以上ないほどの孤独な状況で、ギャク待を受けての十年という年月。そこで負った傷があまりにも軽く描かれてる。だから旦那とのやり取りも違和感しかありません。もうちょっと糾弾と弁明をしっかり描いてくれないと何も納得できない。これで旦那とくっつき直すの!?ってなります。そもそも回帰の理由も、実は心の底では惹かれていた…とかじゃなくてただ「正しいことだけをしなくてはいけなかったのに間違ってしまった」っていう…なんなんですかね?五千歩譲って間違いを糺すだけ…ならまだしも、この状況下で初っ端から薄っぺらな賛辞と共に惹かれ始めますけど、よくそんな気持ちになるな…もっと積極的に懺悔しろよ…息子の存在をかけた後悔も背負ってんだろ…。というか、回帰前に1ミクロンもそんな気ないのに、回帰後からいきなり惹かれる意味が分からないです。自分がああも尊厳を破壊して、挙句殺してしまったような相手にですよ?
・・・羅列された十年の日々は、作者さんが想定しているほどに軽いものでしょうか・・・?
続編に続けるためか宰相フラグ残してますけど、これ以上はないなと思わせるので、正直ここでまとめてしまった方がよかったように思えます。
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