婚約者は、私の妹に恋をする
」のレビュー

婚約者は、私の妹に恋をする

はなぶさ/宵マチ

ラノベの域を超えていますっ!

ネタバレ
2023年2月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ これはもう大河小説です。1巻はただの死に戻りのストーリーで婚約者も家族もただの屑。更に使用人や侍女も最悪……ただ、護衛のアルフレッドだけが救いのようなダークテイスト。ひたすら重苦しい。2巻目でようやく話が進み始めたけれど……何……作者はどれ程イリアを苦しめれば良いのって位とにかく主人公が可哀想で。夢に魘される婚約者…もとい、この時点では旦那か。お前がしてきたことを忘れるんかいッ!しかも執事?の言い分は酷すぎる。二人纏めてイリアが受けてきた地獄を倍にして体験させてやる!と思い妹に関してはあれは天然ではなく悪魔でしかない。自分の為に姉の幸せを奪うことすら当たり前。だって欲しかったから……ふざけんじゃないわよ。3巻目はこいつらをガツンと痛い目に……と思っていたのですがカラスの過去から始まりそれはとてつもない孤独と哀しみの末虚しさだけが残っていた。2巻の半ば辺りからイリアに執着し始めたカラスがイリアを求めて幾度も時を超え彼女の死を見続けるシーンはもう読んでいられない位辛くて切なくて涙が止まらなかった。最後の奇跡が起きた後ふたりのやり取りがホントに嬉しくて。やっと幸せになれたんだねって。そしてふたりは揃って転生したらしく読んでいてあれ?婚約者がソレイユじゃない?やった!運命を変えたんだね!と読んでいくうち最後にライアって……カラスじゃん!幼いふたりの会話はイリアのあの、奇跡が起きた最後のシーンとその後の事迄の悲恋。ああ、まじで大河レベルだよ。本当にどれ程苦しくて痛くて重くても読み続けて良かった…最後の最後こんなにも穏やかなラストが読めるなんて。最高でした!
いいねしたユーザ13人
レビューをシェアしよう!