ハズレ聖女の幸せな結婚～あざとい双子の妹に押し付けられて、敵国将軍に嫁ぐことになりました～
森モト/ザネリ
このレビューはネタバレを含みます▼
ヒーローに魅力が全くない上に存在感が薄い話でした。母国で酷い仕打ちを受けて傷心のまま敵国に嫁いだヒロインは、その敵国でも最初冷遇されます。裏で使用人や騎士たちに暴言を吐かれ、ヒーローの部下にも散々侮辱され、もう可哀想すぎて見ていられない有様で…。そんなヒロインの環境を改善することもせず、妻扱いすらせず、ヒーローは長い間放置します。これが、ヒーローもヒロインを嫌っていた、とかならまだ分かるんですが、ヒーローは最初からヒロインに同情的です。母国で冷遇されてたことも知っていて、自分のそばで幸せになって欲しいと願って娶った男です。なのに放置。使用人や部下がヒロインを虐めてるのを知っていながら放置。それで心が折れて泣きじゃくるヒロインを立ち直らせるのは毎回、ヒーロー以外のキャラです。ヒーローはマジで何もしません。部下がヒロインのことを誤解してるのも知っていながら放置。使用人が女主人(ヒロイン)を侮辱するという有り得ない事態を治めもしない。そもそも使用人や部下がヒロインを冷遇するのはヒーローがヒロインを蔑ろにしてるのが原因だっていうのに、それを一切反省しないし、悪いとも思ってない。なのに、目の前でヒロインが泣いたのを部下のせいにして叱咤する始末…いやまずお前が一番の原因じゃねーかと私は白い目で見てしまいましたね…。正直、幸せになって欲しいんですぅ〜とか言いながらヒロインを冷たい環境に置き去りにして顧みなかったヒーローよりも、誤解でヒロインを侮辱しつつも歩み寄って誤解を解いて後悔して葛藤して謝罪した部下のほうが遥かにヒーローらしいよと思いました。なのでちょっと人を選ぶ作品だと思います。
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