タコピーの原罪
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タコピーの原罪

タイザン5

原罪とは

ネタバレ
2023年2月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ タコピーの『原罪』はちゃんと相手の話を聞かなかったことでした。しずちゃんをハッピーにするために、まりなちゃんをハッピーにするために1番必要だった『話をちゃんと聞く』ことが出来なかったため、その罪でハッピー星を追放されたタコピー。
これはリアルに生きる私たちにも当てはまることで、表面的には聞くことができても相手の話をありのままちゃんと聞く(受け入れる)ことが出来ている人は案外少ない。相手の言葉を聞きながら自分の中であれこれ意味づけをし、疑ったり勝手に解釈をしたりして、そのままの言葉を受け入れずに自分の尺度で推し量ってしまいがちのように思います。
人はありのままの自分を受け入れてくれる人がいれば心が満たされるもので、相手をハッピーにするためにはその相手の話をちゃんと聞く(受け入れる)姿勢が不可欠になるのです。
短い作品でしたが、作品のテーマがしっかりしており、そこに向かって多くの人々が興味を抱き感情を揺さぶられるエピソードを散りばめながらの起承転結が見事にまとまっていて、すごい漫画だなと思いました。
絵も可愛らしくて私の中ではタコピーのキャラデザがドはまりでめっちゃかわいくて何度もタコピーの絵を見返してしまいました。あと『だッピ』語がしばらく脳内では流行ってました。
ラストらへんでタコピーがしずちゃんと長い間ただひたすらずっと一緒に居ることろが切なくて、そこからのタコピーが自らの命を使ってしずちゃんとまりなちゃんをハッピーに導きますが、そのときのタコピーの想いが書かれているところで涙腺崩壊しました。
ただひとつだけラストで引っかかったのは、どんな理由があれ、しずかをいじめていたまりなの行為は最低であるにも関わらず、その件については何もなかったかのように流され、いじめっ子といじめられっ子が仲良くなることでハッピーというのがややモヤつきました。いや、どんな相手でも仲良くなることはいいことだし、仲良きことは素晴らしいことで、復讐してほしいとかまりなに罰がくだってほしいとかでも無いのですが。
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