このレビューはネタバレを含みます▼
全寮制の進学校 煌星学園に集いし若人の恋をメインに群像劇っぽいところもあります。時代はあとがきを読むと昭和初期みたいです。
新入生の鞍掛捷は同室の領家草介に初対面からひどい言葉を投げつけられて嫌いになります。前半は鞍掛目線で進み、後半は領家目線で同じ時期のことをなぞるのですが、領家の態度とは裏腹の心情がおもしろいです。
領家の生き別れた母親のことについてもっと掘り下げていくのかなと思いましたが、そういうことはなく最後までカラッと明るかったです。
作者様は文学や音楽に造詣が深いようで様々な名言やら楽曲名が押し寄せてきてすごかったです。ドイツ語もいろいろ、当時の学生って知識人ですね。ちょっと難しかったですが、楽しく読めました。
2018年4月 総251ページ 挿絵あり