52ヘルツの共振【電子限定描き下ろし付き】
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52ヘルツの共振【電子限定描き下ろし付き】

早寝電灯

誰にも聞こえない52ヘルツ

ネタバレ
2023年2月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 旅行代理店の担当者・清成(α)×生真面目な高校教師・白根(Ω)。Ω性をコントロールしながら自分らしくあるための自立を目指して、規則正しい生活を送る白根は、修学旅行の打ち合わせで高校時代の同級生・清成と再会。αとΩのフェロモンを共鳴、共振と表現するのが美しいし独特。誰にも聞こえない52ヘルツの声を出すクジラのようでありたい白根も、αである前に己自身でありたい清成も、バース性と真っ向から向き合っている。試し読みもなしの作家買いでしたが、今回もすごくよかった。言葉の選び方や表現が素敵で、作品全体の空気が澄んでる気がする。余白はあるのに無駄がない、日常感のある地に足ついたオメガバース。マウスピースの発想素晴らしい。タイトル見るだけで作品世界に引き戻されるような余韻がじんわり…。あーほんとによかった。これからも作家買いします。
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