泣き虫大家のみくるちゃん【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
きはら記子
このレビューはネタバレを含みます▼
事故で両親を失い、下宿屋を営む祖父母に育てられたみくる。大事に大事に育てられ、みくるも祖父母に心配や迷惑をかけたくないとワガママも言わず、少し世間知らずな坊っちゃんになっている。
不動産屋に騙されて? みくるが大家をしているアパートにやって来た青葉。内見もせずに決めたそのアパートの外観は少しボロくて入居を取り消そうかと思ったら、瓶底眼鏡を外したみくるに一目惚れし、入居の撤回を撤回。
出会った初日の青葉の告白は華麗にスルーというか、告白とも思ってもらえず、青葉に居てもらいたいと思ったみくるの提案は的外れで青葉を傷付けてしまう。
このまま気持ちのすれ違いで辛い展開になるのかと思いきや、元下宿屋だったアパートの他の入居者たちやみくるの祖母の存在が拗れそうな二人を優しく包み、自分の気持ちに気付いていなかったみくるも入居者の助言などで青葉への想いを自覚し、ゆっくりと穏やかに進んでいく感じがとても良い。
みくるの雰囲気そのままにエロい展開などはないけれど、この作品に於いてはそれが合っていると思う。あとはあの不動産屋に頑張ってもらい、罪滅ぼしも兼ねて入居者を増やしてほしい。
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