帝は獣王に降嫁する
」のレビュー

帝は獣王に降嫁する

沙野風結子/奈良千春

世界観の完成度の高さ

ネタバレ
2023年2月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 沙野先生の描くお話は世界観の完成度の高さが魅力だなと思います。海と陸と空の民がいて、それぞれ身体的な特徴も、文化も気性も異なり、それがストーリにも絡んでくる見事な構成だなと思いました。
ワダツミの文化である祝詞を誦じてくれたことをきっかけにシキがガイウスを意識するようになったエピソード然り、ワダツミの舞に惹かれるガイウス、テルスの市場にワダツミの商品が流入し、活気に溢れる市場の描写…。描かれる世界観が2人の気持ちの描写にも繋がり、とても生き生きとした世界観を満喫できました。
黒幕は早い時点で絞られますが、だからこそ、その人の動きや言葉から隠された情念を感じつつゾクゾクしながら読み進められました。
とにかくシキを好きだと受け入れた後のガイウスは、めっちゃシキが好きでめっちゃ尽くしてくれるので満足です。
3部作の第1作目とのことで、残り2冊も間違いなく読みたくなる1冊でした。全204ページ
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