このレビューはネタバレを含みます▼
自分のことを攻めだと思ってたのにド攻めの登場で受けになっちゃう…という展開は大好物なので、期待大で読み進めていたんですが、後半から読むのがしんどかったです。物語のスパイスとしてのストレスというより、ただただ不快になるだけのストレス展開といいますか……。
攻めのイヤミな旧友Ωが出てきたあたりから、執着愛という触れ込みで読んだのに攻めが意外と軽薄だったこと、Ωのヒートにあてられて受けが理性失っちゃったこと、それから受けがαのわりにうじうじし続けて成長しないこと、そもそもα男性なのに妊娠できる世界観なこと……。妊娠できるならα同士の話にしなくてもよくないですか?もし「運命の番」に抗うふたりを描きたいならα×βでもいいじゃんとか色々思ってしまって……一番引っかかったのは、ヒートΩを襲いかける受けの描写からの本能的な行為に流れ込んだ流れがあったせいで、じゃあ攻めと姉も一歩間違えたらすぐそうなるんじゃない?とかとか。不安要素たっぷりですよ。タイトルに「甘くない」とあるのでその通りではあるんですが、問題に対しての解決方法が「え、それでいいの?」と思ってしまうこと多くて……。
あと受けの家庭環境が中途半端でした。終盤で本人が言ってるみたいに、どうしてもまだ恵まれてるんですよね。なのに離縁までしちゃって、それって本当にハッピーエンドですかね?父親も急に理解者になっちゃうし。だったらもっと最初からどうしようもない家族として描いてもらった方が受けのこと応援できたのですが…。
……という感じで、なんだかいろいろ消化不良です。「α同士のオメガバース」に求めていたことと絶妙にズレていて、個人的にはハマりませんでした。
表紙も挿絵もすばらしくて攻めも受けもビジュアル好みなのと、前半はよかったので★3です。