ヴィクトリアミランの代償 【電子限定特典付き】
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ヴィクトリアミランの代償 【電子限定特典付き】

篁アンナ

全方位にモヤる。

ネタバレ
2023年2月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 不倫しといて純愛でしたって無理じゃないです?
結局、何も知らない家族をスパイスに結ばれちゃいけない俺たち…!って盛り上がってるだけの話にしか思えなかったです。どうしても離れがたいならちゃんと身辺整理すべきだし、そんな理屈通りにいかないのが恋愛でしょ!というなら純愛気取るのやめてエゴに走れば?その方がよっぽど読めるわ、と。
今作もやるのが攻めの家族の描写が薄い…。ことごとく攻め受けに都合がいいんですよね。兄の子、であったり男性恐怖症であったり。2人を盛り上げる駒感がすごい。いや実際そうだし題材が題材だから仕方ないのかもしれないですが、じゃあ不倫を題材にする意味って…。不倫をもってくる以上、既婚者側の家族描写は避けて通れないはずで、そこを丁寧にかつ深掘りして描かないなら、テーマにする意味がない。ただの当て馬でいいはず。そりゃいくら実際には甥とはいえ家族として過ごしてきた息子は腹立つでしょうよ…。めっちゃいい子じゃんあの息子…。物分かり良くて。
個人的な好みかもしれませんが、メインCP以外のキャラが、メインCPのモブでいいや〜って思いながら生きてるはずないですよね?彼らにも正義や信条があり、自身が主人公の人生を生きているはずなんですよ。物語上、メインCPに焦点があたれど、周囲の彼らの人生がそれを引き立てる為だけに存在しているわけはなく、そこにご都合主義を感じると一気にさめます。この作品が刺さらなかった全てがそこにある気がします。
既婚者側のパートナー(今作でいえば妻)の描写はもっとあってしかるべき。BLだから女性描写は…って話なら、ただの再会モノで良かったはず。難しいテーマだと思います。悩みながら描かれたんだろうなとも。
勝手な想像ですが、これ、『愛し合う2人が互いを選ぶ』ということのあるひとつの形、を描きたかった作品なんじゃないのかなと…。不倫以外でも良かったんじゃないかな違う…?
1巻完結ならともかく、3冊のボリュームで読むのはかなりしんどかった。これ、同時発売じゃなくて1.2.3の続きモノだったら確実に1で離脱してました。なるほど、だから同時発売だったのか!とある意味納得。再読は無いですね。BLはファンタジーとして読む、倫理観とか一切持ち込まない、わかりやすいハピエン以外も読める!という方は楽しめると思います。ちなみにわたしは9割がた←の気持ちでBLを読みますが、それでもひっかかりました。
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