ショートケーキの苺にはさわらないで【イラストあり】
凪良ゆう/草間さかえ
このレビューはネタバレを含みます▼
大学生 南里輝 20才×裏ドール(性的な行為のために作られたアンドロイド) シン
ゲイである南里は中2のときの失恋の痛みから理想の裏ドールとラブラブ夫婦のようになりたいと夢見てバイトでお金を稼いでいでいました。そんな南里がひょんなことから出会った裏ドールを買い取り共に暮らしていたところ、戦争のために拠出しろとドールを回収されそうになりというお話でした。このスピンオフに「2119 9 29」があり、そちらを先に読んでネタバレを摂取してしまっていまして、ちょっとドキドキハラハラは少なめでしたのでこちらから読まれたほうがいいと思います。「2119ー」での南里の印象はお金持ちのボンボン?でしたが、こちらを読んでごく普通の家庭で普通に良い両親に育てられてきたのだなと思いました。笑えたり、泣けたり、ラストまですごく読みごたえのある作品でした。こちらを読んだあと「2119ー」をもう1度最後のあたりを読んですごく胸に迫ってきて、星4をつけていましたが、星5だよなあって思いました。南里はシンとふたりだけの幸せをずっと考えていて、阿部ちんは何て言うか、もっと全方位に情が深いのだと思います。それは実家が地域密着のレストランだったことも関係しているのなと思うのですが。両方読んで完成みたいな感じがします。もしかしたら凪良先生はリョウと芝のお話も含めて三部作を考えてらしたのかなと思いました。でも2通りの生き方を書かれてもう充分に思われたのかな。どこかでSSとかで書かれてたりして。私は阿部ちんの生き方のほうがすごいなって思いました。ラストが好きかどうかは別にして心が震えました。ショコラ文庫さんから出ている凪良先生の本は今日で販売終了です。今後はどうなるのかわかりませんが、また電子で販売されることを願ってます。
2015年4月 挿絵あり
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