ひとりぼっちのワルツ
」のレビュー

ひとりぼっちのワルツ

羽純ハナ/松本いさ

涙が止まらん

ネタバレ
2023年3月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ まるで昭和の昼ドラ、朝ドラの様な暗さ。不憫な生活と環境に置かれているにも拘らずなんて健気な子なの葵ちゃん。だけどまるでいきる屍のような征爾は淡々と日々を送るだけ。そんな征爾と葵ちゃんを嘲笑うように使用人達は自分達の立場も忘れ横暴、横柄な態度で葵ちゃんを蔑ろにして、征爾がいなければご飯すら出さない上に征爾が可愛がっている猫すら面倒を見ない始末。そんな使用人達の態度にも征爾を騙したと思い込んで負い目がある葵ちゃんは健気にも耐えます。でも体の変化は待ってはくれずとうとう限界が近づいて来て、堪えきれず征爾のシャツに着いた僅かな汗や食べ掛けのプリンに着いた唾液を求めたがそれすらも馬鹿な使用人によって咎められ殴られてしまい血を吐いてしまう。もう自分には時間がないと悟った葵ちゃんが家を出る為に荷造りするシーンや征爾にタイピンの場所を教えるは猫のクロが必死に葵ちゃんの危機を伝えようとしているのに伝わらないもどかしさに涙涙です。使用人達はクビどころか社会的に抹殺しても良いと思いましたよ。間一髪のところで円兄ちゃんと直杜が助けてくれて本当に良かった。全てを知ったとき征爾は後悔しかないと言ってるけど、なぜもっと早く気付かなかったんだ!ってツッコミたくなったよ。葵ちゃんもそうだけど、クロだってずっとサイン出してたよね?と泣きながら叫んでしまいました。一応ハッピーエンド?なのかしら?けど、完結とされてないから続編、もしくは続きがあるのかな?元気になった葵ちゃんとクロと征爾の幸せな続きが見たいです。そして最後に総三家当主のクソオヤジを最後ギャフンと言わせてやりましょう!すごく重い設定で葵ちゃんの辛い日々がとにかく長いストーリーですが物語の骨格自体は物凄くしっかりしているし深いです。構成も細かいところまでちゃんと考えてらっしゃるなぁと、ただ1つだけ、最後葵ちゃんと征爾が再会した辺りから少しだけ走りすぎてる感じがしたのが残念。それまでがとても丁寧に物語を書き進めてらっしゃったので、、、でもとても良い作品です。新しいオメガバースの世界ですね。すごく好きです。そして第2巻若しくは続編楽しみにしております!
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