子薫仙郷
」のレビュー

子薫仙郷

月夜堂

シリーズの原点

ネタバレ
2023年3月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『花晶奇譚』シリーズの最初のお話です。
『胎華』読後に読みましたが、本作品は2013年7月発行なので『子薫仙郷』こそがスタートだったのかと思いました。

『花晶奇譚』の「ハナビラ・エポック」に登場する子薫のお話ですが、シリーズの真髄である「自己犠牲」が泣けて仕方がありませんでした。『アンパンマン』が困っている人に顔を差し出して助ける姿に匹敵するくらいの自己犠牲と献身、深い愛情。患者を治癒させることに無類の喜びを感じるという医師としての原点はシリーズに共通しています。

何百年という歳月を生きてきた子薫の来し方を思うと最後には朝恒の生まれ変わりである加賀医師と結ばれて、涙なくしては読むことができませんでした。
随所で相棒とも言える子天狗の翠嵐が可愛いらしくて心和みます。
神様が住まう風光明媚な土地を思い描くことができました。
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