このレビューはネタバレを含みます▼
島で教えてもらった作品です。
ピカレスク小説と謳っているだけに前半はある種の胸糞悪さを感じて何度も読む手が止まりました。が、漱太郎の残虐性や反社会性をユメが容認したあたりから面白くなってきて気付けば見事に作品に引きずり込まれました。
漱太郎は全てを思いのままに操る教祖、ユメはそんな彼をひたすら愛し崇拝し守ろうとする殉教者の如くです。
そしてラストが衝撃的。
ようやく目覚めたユメの行為に周囲は安堵するのか罵倒するのか‥
「ユメの事なら何でも解る」と言っていた漱太郎が最後に味わったのは裏切りか、それとも恍惚か‥
そしてユメにとっては終わりなのか始まりなのか‥。
読後は色々と考察したくなる深みにハマる作品でした。