このレビューはネタバレを含みます▼
●まずこちら「合冊版」でして、描き下ろしなどはありません。せっかくなら単話版の表紙も収録してほしかったですね〜(好きなので)。また、“セカンドのその後”の二人の様子は、やっぱりもう少し見てみたかったかなぁ…
●“セカンド”、二度目の。恋人同士のアキと記憶を失ったイオリが、どうするのが最善なのかと探りながら、違和感と不安を抱えながらも一緒に生活する。それが結果的にお互いのことをもう一度考え思いやることに繋がって、“今”の二人が二度目の恋をする…という感じでしょうか。
●二人とも、初めは“過去”を取り戻そうと必死。それが最善だと思っているから。だけどイオリは何も思い出さず、アキの絵に興味を示すこともなくて…先にアキの方が「取り戻すのは無理なんだ」と“諦める”のです。でもそれがかえって良かったんじゃないかな?と。
●イオリは(母親に条件付けられてるのもあり)なんとか“過去”を思い出そうともがくのですが、そんな中でもアキが“今”の自分と新しい関係を築こうとしてくれることを嬉しく思ってる。表情がどんどん良くなる。何も思い出せなくても、アキとずっと一緒にいたいと願う。
●アキにギュッと抱きしめられたときのイオリの反応、イオリから「一緒に寝よう」のお誘い、アキからの初めての告白と、イオリの返事、おぼつかないキス。“二度目”を始めるためのステップ。とても良かったです。
●味覚も変わってしまったイオリがアキの匂いを好きなまま“変わらない”ところもいいなと思うし、アキの画風が少し“変わった”ところもいいなと思う。今を受け止めて未来を一緒に作っていこうとする二人が素敵でした。